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takashisatoのここだけの話

仕事のことをたまに、普段考えるいろいろなこととか、近所の勝どきとか豊洲の話も

ネット業界の漁夫の利っぽい話

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その昔、まだガラケーという携帯電話が絶頂に差し掛かる少し前、iMENUの構造改革が行われた時期がありました。今はDeNAの投資担当をされている元mixi取締役の原田氏が、まだドコモのiMENUの仕事をされていた時期でした。私が知る限り、原田氏が手掛けた功績で大きいのが、auに追随してiMENUへの外部検索エンジンの投入を実現したことと、これまで禁じ手とされてきたiMENU内へのコミュニティカテゴリーの創設だったと思います。
 
このコミュニティカテゴリーの創設にあたり、当時飛ぶ鳥を落とす勢いであった勝手サイトのトラフィックの大きなシェアを取り込んでいたSNSをいかに取り込むかということが課題となっていたときでした。ちなみにこのタイミングではモバゲーはTVCMをやるはるか前で、200万人程度のユーザー数でまだまだ外野の扱い。飛ぶ鳥を落とす勢いだったmixiをいかに取り込むかが最重要でした。

当時劣勢だったグリーは、表面的にはKDDIと資本業務提携して、その後ソーシャルゲームで復活したことにされていますが、実態はmixiとならんで公式メニューに掲載され(モバゲーは当初公式メニューへの掲載を拒否し続けたためSNSカテゴリーはmixiとグリーが並び続けた)、これを生かして先行する事業者(mixi)と対等な立場でモバイルSNS専門ユーザーの集客手段の確保を実現し、じり貧状況を打開できた部分に最初の起爆剤がありました。

さらには公式メニュー化されたことで、通信キャリア決済を活用できるようになりました。あくまでコミュニティ運営にこだわったmixiをよそにモバゲータウンと競争を繰り広げ、アバター課金やコイン課金を通信キャリア課金と徹底して連携させて、自在に活用できたことは大きかったと思います。グリーはこうして世の中の大きな取り巻く流れを味方につけ、mixiとモバゲーが競い合っている中で着々とユーザーを増やし、いち早くアバターに代わる新しい金脈であるソーシャルゲームを見いだせたことが大きかったのです。漁夫の利というわけです。

最近、バイラルメディアというジャンルが盛り上がっているようです。facebookやLINEやtwitterなどのソーシャルメディアなどを通じて情報が拡散する仕組みが出来たことで、バズ化しやすい記事をスマートディバイス向けに最適化して配信することで、ユーザーが増えている、増えたユーザーを蓄積される仕組みが出来つつある、そこにネイティブアドという新しい広告手法の開発も見えてきてマネタイズの方向性も見えてきたため、コンテンツ拡充とマーケティングに投資が一気に進んできた、ということになっています。

しかし斜め横から見る限り、バイラルメディアにもっともユーザーを効率的に送客しているのは、ニュースアプリ戦争のプレイヤーたちのように見えます。彼らは、総合型のニュースは大手メディアから調達し、カテゴリーニッチなテーマをバイラルメディアと呼ばれるメディアから調達しています。


グノシーチャンネルの購読者数にみる各メディアの影響力


ニュースアプリの主たる利用者ははたから見る限りは二極化しており、情報感度の高いアッパーミドル層と、ワイドショーやスポーツ新聞を好んでみるような、主婦・マイルドヤンキー層です。この後者のカテゴリーにマッチしているのが、バイラルメディアから供給される記事であり、ニュースアプリ経由でバイラルメディアもユーザーを増やしつつある、というのが実態のように見えます。もちろんバイラルメディア側も徹底したSEO対策を施し、その他のユーザー獲得導線についても抜かりがありません。元サイバーエージェント系の人たちで展開するバイラルメディアが強いように見えるのはこのあたりの徹底さが競争力の源泉となっているようにも見えます。

バイラルメディアのカテゴリーは従来からコンテンツ提供者が存在していました。ギガジンやナリナリドットコムやなどのサービスが存在していました。誤解を恐れずに極端に書けば、これらのプレイヤーはスマートディバイス大戦争時代に、運営が成熟化し戦略も既存のマネタイズスキームの影響で身動きがとりづらく、ともすればレガシー的な存在となりました。ニュースアプリの勃興・ソーシャルサービスとの拡散性という視点で先行事業者が重視していなかったこの部分に注力し一気にユーザーを増やしたというところでしょうか。

バイラルメディアは昔であれば、ニュース記事をメディアとしてきちんと提供し、ヤフーニュースやmixiニュースやモバゲーニュースの編集担当者に認められて、「トピックスにのる」というプロセスが必要だったのが、ある程度バズ的に人気が出ればアルゴリズムという名のもとにニュースアプリに機械的に掲載され、徹底したSEO対策と組み合わされることでユーザーが流れる時代になったのでした。

ニュースアプリに多額の投資が集まり販促活動が展開され、applegoogleがアプリストア内でニュースメニューを掲載するメディア・ポータル化する戦略を取らない限りは、ニュースアプリをpushし続けそうな勢いであり、まさにこうした世の中の流れを生かした展開で今後も当面成長しそうな分野です。

こうした中で先行するバイラルメディアに追随するカテゴリーニッチなテーマを徹底して仕掛けさせ、この分野での漁夫の利を得ようしているのが今回買収したDeNAだと思います。カテゴリーニッチの隙間カテゴリーに手当たり次第にコンテンツを手掛けてユーザーを獲得する。ネイティブアドの仕組みを整え、ECとゲーム・マンガを中心とするエンタメマネタイズスキームを抱えつつエコシステムを構築しようとしているように見えます。

そうこうしているうちにKDDIもメディア事業戦略に舵を切るような発表もあり、バイラルメディアの戦いを静観している感があるnanapiを中核に据える戦略で何をしてくるのかなど、ここから先いろいろ目が離せそうにありません。


今回はあえて偏見っぽく書いてみました。「ここは実際はこうなんだよ」というのがあったら、恥ずかしいのでfacebookとかで個別に教えてください!
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