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スマートフォン向けウェブサービス立ち上げについて思うこと

先日モバプロをスマートフォン版として提供を開始しましたが、いろいろと試行錯誤し、おそらくそれが今後も続くので忘却録に、ということで自分なりの考えをまとめてみることにしました。なおこの見解は私の個人的な見解にとどまるものです。


1.アプリ版でいくのかウェブ版でいくのか
当面はJAVA BREWなどのダウンロード型アプリから利用率が高まっているモバイルウェブサービスに注力を置くという方向性の中で、スマートフォンについてもまずはウェブ化で対応することになりました。もちろんウェブ化させた上でアプリ版の提供も考えるという形です。

そうはいってもアプリ版ではなく、ウェブ版に踏み切るにあたり、最近はスマートフォン向けウェブサービスのノウハウ・ナレッジがこの半年ぐらいで日本語の情報でいろいろと出てくるようになった、というのが結構大きかったと思います。また、個人的にはSNSさんがウェブでごりごりサービスを作っているというのも参考にしました。もちろん4Gが始まっておらず、ガラケーと比較してリッチアプリケーションになってしまうスマートフォン向けサービスをウェブ型で提供するデメリットはある程度考慮した上です。


2.UIについて
スマートフォン向けウェブUIはこの1年ぐらいで大きく洗練されてきており、ユーザーに対する失望感を極力下げるため、既存のケータイwebページを単にボタンを大きくするレベルでとりあえずスマートフォン化した、としてしまうのは今後極力避ける必要があるのかなと感じてます。このあたりはどこまでやるべきかと、どこまで最低限やればいいのか、の線引きが難しいです。

また、従来の携帯向けのように、少ないページ領域に、文字と絵文字を組み合わせたものをひたすら入れこんでいく、といった箱庭的UI構築というべきか伝統工芸的ともいうべきか特殊UIでもなければ、アプリのようにひとつの画面に極力おそまりスクロールしないようなUI構築でもなく、端末の他のUIとできるだけ親和性のとれたUIにすることが望まれるのかなと痛感しています。メニューを横にひたすら羅列するのではなく、縦長になってもタッチパネルでの操作性を優先するなど、今後いろいろとtipsが出てくるのだと思います。

またスマートフォンは液晶の解像度が非常に高いため(しかも拡大ができてしまう)、従来のドット絵の延長線上で創り上げてきたイメージ画像の世界観が根底から変わります。PC向けウェブサービスで利用されてきたデータも再度作り直す必要があるのではないでしょうか。基本的にビットマップ的な素材はすべてベクトルデータで再構築していく必要があると認識すべきでしょう。


3.認証について
スマートフォンは端末IDが使用できないけど標準でクッキーが使用できるなど、要はpc向けサービスと同じなのです。2008年以前のケータイ勝手サイトでも端末IDができなかった点ではよく似ているといえますので、このころに立ち返れば、

・通信キャリアが提供するメールアドレス以外では登録できないようにする
wifi環境からは登録できないようにする

ことで、一定のアカウント濫造抑止効果には繋がっているようです。(実際そうした対応をしているところもあります)ただし、スマートフォンは自在にアプリを作ったり、http通信のできる様々なプログラムを自在に実行できてしまうので、本来であればSMS認証をかけるのがベストかと思います。モバゲータウンは、おそらく買収されたngmocoのツールを使っているように思いますが、海外に電話をかけて認証を行う方式と海外からのSMS送信により、こうした問題をクリアしています。コロプラのように、認証用の専用アプリを経由して使用するようになっているものもあります。あまり詳しくはお話できませんが、モブキャストでは、電話番号を入力していただき、一定のルールで、複数アカウントが生成されにくいように監視を行っていくようにしています。

ただ、私が知る限りメール認証が今後も重要になる、というのは疑わしいように思われ(くわしい理由の明言は避けます)、まもなくすべてのキャリアでSMS送信が可能となるようなので、SMS送信のソリューション(ポート番号が借りられる、SMS向け高速メッセージ送信システムを作るなど)を投入して、SMSをベースとしたものに移行させていくべきかと思います。

また今までよく使用されていた空メールを送信する、というプロセスは、ブラウザーから画面の切り替わり方がユーザーに混同を与える、スマートフォンブラウザーからのmailto:キック先がPCメール先にになってしまう(?)など、もろもろ問題があるようで、各社ともあまり採用していないように感じました。

もっとも、昨今、twitterfacebookなど、ID認証がオープン化され、そうしたプラットフォームに依存してサービス構築するのがトレンドでもあるので、こうした首根っこの部分の取り組みをしている人たちが以前と比べると少ないなあ、という印象があります。


4.クッキーについて
スマートフォンの認証では、端末IDが使用できないため、ユーザーの方には「ID+パスワード」という形で情報入力をしていただく必要があります。これは従来のケータイサービスになれた人からするととても不便です。実際黎明期のケータイ勝手サイトでは、端末IDが使用できなかったため、こうした認証方式でサービスを提供していたところがありましたが、そうしたサービスはほとんど使用されませんでした。結果公式サイトに認証が絡んだサービスが集中し、端末IDが使用できない勝手サイトでは当初はメールメディアが隆盛したのでした。

そこで少しでもこうした利便性をクリアするために、従来のケータイではあまり使用されてこなかったクッキーを使用して、認証の手続きを少しでも簡略化しているようです。クッキーを使用して、パスワードのみを入力させる方式をとっているモバゲータウンにならって、ゲムッパではそうした認証方式を採用しました。


5.今後の開発のついて
モブキャストで得意としている携帯向けカードゲームは、描画能力が大幅に向上したスマートフォンでこそ生きるゲームジャンルであると認識しています。クリックを主役にしたミッションクリア型ゲームの発明がここ数年の携帯向けソーシャルゲームの新大陸開拓の大きな原動力となりましたが、スマートフォン向けソーシャルゲームの原動力は、カードゲームがそれにとって変わるのでは思っています。ということで、カードゲームについては適時スマートフォン化を進めていくのかなあ、と思ってます。


6.課金について
スマートフォン向けのwebアプリについては、アプリストアで配信ものではないので、得に制約を受けるものではないと認識しています。しかしスマートフォン向けwebサービスは、通信速度が安定しないソフトバンクなどでは、速度の遅さが気になったりともろもろ乗り越えない課題があるのも事実かなと思います。


7.マーケティングについて
モブキャストのゲームは、最近は積極的にTVCMをやったりと広告戦略も進めていますが、ほとんどのベースのユーザー獲得は友達招待で実現できており、メールで100万人規模のソーシャルゲームユーザーに自由にpushする手段も確保しているため、正直プラットフォームのマーケティングパワーにあまり依存する必要性がありません。特に「アプリストアに出店しないと人が来ない」とかそうした状況でもないため、ウェブ版にして提供するというのが素直に進みました。スマートフォン向けウェブサービスのリンク集やら検索エンジンは存在しないため(していても私ですらそうした存在をあまり活用できていない時点でそうした事業・サービスのマーケティングはあまりうまく行っていないと思う)、今後どういった対策をしていくかは全く未知数ですが、それでも一応、広告を出してみたり、メールをうったりしながら試行錯誤するのだと思います。

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